ドラッカー3、未来を知る方法(599)


「」は「3分間ドラッカー」より(上田惇生 [立命館大学客員教授]

あけましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いします。

1、フィードバック分析によって、みずからの強みを知り機会をつかむ

「ドラッカーは自らの強みを知る方法はあるという。それは、フィードバック分析だ。

 何かすることを決めたら、何を期待するかを書き留める。9ヵ月後、1年後にその期待と結果を照合する。ドラッカー自身がこれを50年間続けていたという。」

わたしも3年間を記録するノートをつけている。9カ月前、または1年前の記録をときどき振り返っている。それが右肩上がりの記録や小さな挑戦をしているかどうか、を確認することは、勇気づけてくれる。

2、未来を知る方法

「ドラッカーは、未来を知る方法は、ふたつある、と。

 一つは、自分で創ることである。成功してきた人、成功してきた企業は、すべて自らの未来を、みずから創ってきた。ドラッカー自身、マネジメントなるものが生まれることを予測する必要はなかった。自分で生み出した。

 もう一つは、すでに起こったことの帰結を見ることである。そして行動に結びつけることである。これを彼は、「すでに起こった未来」と名付ける。あらゆる出来事が、その発生と、インパクトの顕在化とのあいだにタイムラグを持つ」

自分の未来は、自分で作り上げていこうと試みる人間になるのか、どうかなのである。そして、今すでにおこっている事を、洞察力を持って見ようとするビジョンをもつように試みているか、である。この2つの試みが、自立して生きていこうとする人や起業家には、欠かすことができない。

3、イノベーションと起業家精神

「たとえ大勢の優れた人たちが年月かけてつくり上げたものであっても、見直しと組み立て直しは常に必要であるという。「われわれが必要としているものは、イノベーションと起業家精神が当たり前のものとして存在し、継続していく起業家社会である」(『イノベーションと起業家精神』)

イノベーションと起業家精神がある人々が少しでも多くになる社会を作り上げる。自立する人以外には、進化する社会も、繁栄をもたらす社会などは、どこにもない。それなのに、起業家精神がない偽りのバラ色の社会の未来を、説く政治家が多い。

いつの時代にも、見直しと組み立て直しをするイノベーションと起業家精神が求められている。現代にこそ、それが求められている。成長と見直しは一対であって、これなしの増税を考えている政党が、社会を良くすることはない。

4、タイムマネジメント

「時間の管理に取り組むには、まず時間を記録することが必要である。成果をあげるための第一歩は時間の記録である。

 記録の方法を気にする必要はない。自ら記録してよい。秘書など他人に記録してもらってもよい。大切なことは、正しく記録することである。記憶によってあとで記録するのではなく、ほぼリアルタイムに記録することである。」

時間の記録をつけ続けて、それでもって自分で未来を作る。それ以外には、どこにも夢の世界などあらわれてこない。それは、外国語のマスターも、一日一枚の原稿を書くことも、5つくらいの単語を覚えることも、タイムマネジメントと同じである。時間の記録からタイムマネジメントは生まれてくる。

5、倒産する国家

「政府が行なう古くなったもの、陳腐化したもの、生産的でなくなったものを切り捨てるためのメカニズムがない。

 最近では、法律と政府機関を一定期間後に自動的に廃止するというサンセット方式が導入され始めた。しかし、いまだ十分に機能するには至っていないという。

 ドラッカーは、その原因は3つあると指摘する。

 第一に、法律や政府機関が役に立たなくなったことを判定する客観的な基準がないことである。

 第二に、廃止の具体的な手続きがないことである。

第三に、それら廃止されるものの代わりになるものをどう導入するか、そのための具体的な方法がないことである。

 しかし、それもこれも元はといえば、政府に倒産の機能がないためである。

「サンセット方式を効果あるものとするための原理と方法の開発こそ、ただちに行うべき重要な社会的イノベーションである。社会がそれを必要としている」

倒産の機能が企業にあることは、よいことである。国家の倒産がヨーロッパだけでなく、日本の国家もいつ倒産してもおかしくない。それは、政府に倒産の手続きがない理由からだけである。

この原理を熟知している政治家がいるならば、信頼することができる。そして、それを見抜いている人は、自分が自由であることを感じて、自由のために選択し、再び自由に生きようとする準備をする人でもある。

そして、ふたたび民営化のみが価値や利益を生み出す時代である。第2次世界大戦の日本は国家社会主義体制であった。それは個人から始まるのであって、国家ではない。国家社会主義の亡霊は、貧乏神は誰かに憑依するように、今なお生きている。

 

6、自ら変化を作る

 

「この変化の時代を乗り越える唯一の方法が、あえて変化の先頭に立ち、変化の生み手になることだという。

 恐怖は、後方の席に深々と腰を落ち着かせたとき、高まる。変化は、最前列で腰を浮かせハンドルを握るとき、初めてコントロールできる。

 いわんや今日の乱気流下の悪路にレールはない。自らハンドルを握ることなく、転覆を避けることはできない。急激な構造変化の時代を生き残るのは、チェンジ・リーダーとなる者だけである。

 そして、そのチェンジ・リーダーになるための方法が、変化を脅威でなく、チャンスとしてとらえることだという。進んで変化を探し、本物の変化を見分け、それら本物の変化を利用することである。

 おそらくはこれこそが、ポストモダンにおける生き方、考え方、事業の仕方の王道、常識となるべきものである。

 この方法が成功を保証してくれるわけではない。しかし、この方法なくして成功することはない。

みずから未来をつくることにはリスクがともなう。しかし、みずから未来をつくろうとしないことのほうがリスクは大きい(『ドラッカー 365の金言』)」

自ら未来を作ろうとしない者の方が、むしろリスクを大きくしていくのである。本物の変化への洞察力を高めて、その変化を利用することだけが、我々が成功するためには、なしうることである。そこから成功は生まれてくる。

7、最も重要なことを最初に行うべく集中する

 

「時間と、労力と、資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類が多くなる。これこそ、困難な仕事をいくつも行なう人の秘訣である。ドラッカーは、成果を上げられない人のほうが長く働いていると言う。

成果をあげる人は、多くのことをなさなければならないこと、しかも成果をあげなければならないことを知っている。したがって自らの時間とエネルギー、組織の時間とエネルギーを一つのことに集中する。最も重要なことを最初に行うべく集中する」(『プロフェッショナルの条件』)

この重要なことを最初にするようにして、集中する。それで充分で、後はリラックスする時間を作ればよい。これがすべてである。そのためには自分にとって重要な事を知ることから、始まる。

 

重要なことを最初することによって、達成した気持ちや幸福を感じるようになっていく。自分の仕事を見つけた者には、いつの年であっても、それは学びあう仲間がそばにいて、笑いであって、挑戦である。

 

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