好きなことに、バカになる2(635)


つまりセレンデピティは、外からもたらされるものでなく、
自分で呼び込むものなのです。
偶然のひらめきによって問題解決に向けてのブレイクスルー
が起きる場合、大抵、当人は解決すべき問題を絶えず考え続けている
ことが背景にあります。試行錯誤の結果や自分の周囲に起きる
現象に鋭敏になっているため、ほんの僅かなきっかけでもキャッチできるように、
意識や潜在意識が研ぎ澄まされているのかも知れません。
狐狸庵生徒

6、議論

不安や孤独を克服してくれるもの、

人がやらなかったことをあえてやってきたのは、すきであるのに加えて、自分だけのオリジナリティを追求したかったからです。独自のテーマを掲げて、その分野でパイオニアになりたい気持ちが人一番強かったからです。

そのためにも、自分の好きなことに力を注ぎ、得意分野に一層磨きをかけることが必要になってきます。いい研究、いい仕事には、異なるタイプの力がうまく組み合わせることによってなれるものです。

それぞれが、各々の得意分野で能力を発揮する時、成果は最大になる。それぞれの違いは役割の違いであって、優劣の違いではありません。

視野が広がることも、議論のもたらす利点です。人間が自分一人で考えたことなど、初戦大したことがありません。他人の意見も聞いてはじめて、固定概念が揺さぶられ、上からしか見られなかった狭い視点が横からも下からも斜めからも見られるようになる。

7、美しい偶然などあり得ない

 

 

わたし達人間は思惟のほか不器用な生き物で、神と天才を除けば、経てきたプロセスに見合う結果しか手に入れられないものだと思います。

つまりセレンデピティは、外からもたらされるものでなく、自分で呼び込むものなのです。

では、その準備とは、どういうものか?それは不断の努力のことです。わたしの実感では、あがきです。

一生懸命と言うよりは、必死の形相で苦しみ、あるときはうんざりし、もう無理だ、こんなことはやめた、と諦めかけもして、しかし明日から、また気を取り直して、やり始める。

こうした積み重ねを経て、やっとセレンデピティが生まれる素地ができるのです。

どんなふうに起こるかと言えば、ある研究室、あるチーム、ある人物に、集中して起こりやすいものです。

この理由は言うまでもなく、そのチームなり人物なりが不断の努力によって発見や発明を生み出す素地を作っているから、―つまり一人ひとりの中に常にあがく習慣が身についているからなのです。

大切なのは、偶然の幸運を呼び込むべく、また、呼び込んだ幸運を活かすべく努力やあがきを惜しまないことです。それが偶然に頼らずに、偶然を活かす生き方の要諦とは言えないでしょうか。

物事は考えた通りには進まないともいえるし、予想通りに進んだものは大したものではないとも言えます。

いずれにせよ、起きることは考えることよりも常に複雑です。

そしてだからこそ、起きた現象の様子や意味を注意深く見逃さないことが、何よりも大切なのです。そこで何が起きているのか、何が変わったのかを見つめる観察力。

予期せぬ結果を次の実験や研究に絶えずフィードバックしていく継続力。そういうものが必要になってくるのです。

とりわけ観察力は極めて重要な能力の一つです。

2のまとめ

 

1)異なるタイプの力をうまく組み合わせる

チームの力をつかうことである。

2)他人の意見を聞いてはじめて、視野が広がる

 同じ年齢、同じ世代、同じ国籍,同じ階層などの異なる人とのチームや組み合わせから、視野が広がるし、うまい組み合わせのチームが生まれる。

3)経てきたプロセスに見合う結果しか手に入れられないもの

思いのほか不器用な生き物が人間であるから、人間は結果よりもどのようなプロセスをたどってきたかしかに、得るものは限定されるのである。

4)ある研究室、あるチーム、ある人物に、集中してセレンデピティが起こりやすいもの

一人ひとりの中に常にあがく習慣のなかから、集中してセレンデピティは起こりやすい。

5)起きた現象の様子や意味を注意深く見逃さない観察力は重要な能力

世界で今何が起こっているのかを見る洞察力とこの注意深い観察力を常にフィードバックしていく。

(続く)

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