師としての坂井三郎、1( 666)


1、2008年10月5日の記録

 

 

生と死の狭間を通り抜けていくと、人は自分の仕事を発見できるようになる。その狭間の体験

は、経営にとっても、得難い教訓になる。「」は、2009年2月に小さなノートに書いた、何がわたしを支えてきたかの記録である。

 

「そこには、限りなく愚か人達がいて、一方よきアドバイスをしてもらった二人がいた。一人は個室のアドバイスをしてくださった安田さんであり、もう一人は、名前は忘れてしまったが一緒に昼食をよくした、京都の教育委員会の人であった。

その人の話は、生徒の進路指導の話であった。

 

2008年8月末に京都山科の病院を退院して二ヶ月あまりになる。二ヶ月あまりが経過しないとその体験はあまりに生々しくて、記録する気持ちにはなれなかった。小さなノートに記録し初めたのは、入院して1ヵ月後の2008年10月5日からである。

 

私は、入院当初精神のバランスを保つことが困難であった。入院して約2週間は、何も記録する余裕はなかった。12月の個室の時期を除いては、四人部屋であった。

 

しかし20日余りの入院生活が経過して後は、何もかも、よきことも悪きことも、記録した。記録をつけるということは、私の子供の時代から日記をつけるという経験と、加えて、死んだ父親の意識がある間は入院を記録していたことを何度も読み返していた、からであった。

 

記録することは、私の愛読書であるゼロ戦の撃墜王の酒井三郎氏の空線記録があまりに私に影響を与えている。酒井三郎氏の記録は、ピンチに陥ったときにいかに切り抜けるかという体験記録として私の中に深く記憶していたからである。

 

 

2、安田さんの個室に移るようにとのアドバイス

 

 

入院した四人部屋には、二人の認知症の患者がいた。この二人の異常な行動をする人間と最初は同じ部屋であったことは、私の精神を正常に保つことを困難にさせた。

後には同じ部屋の安田さんという経営者の患者と私は、親しくなった。

 

安田さんは後ほど個室に替った。安田さんが11月末で退院する前に個室を紹介してくれた。その後は、この二人の認知症の患者とは離れたので、ずいぶんと気持ちが楽になった。

 英語の本を持ち込んで、退院するまでに2冊の本を読み上げた。ほぼ毎日午前8時30分頃から10時頃まで、それらの本をいつも読んでいた。

 

個室を確保するための経済的な余裕がなければ、本を読めるような生活を送れないということは明らかだった。個室が確保することができて、何とか精神のバランスを保つことができるようになった。本を読む時間は、その後の最も楽しい時間であった。

 

ほとんどの患者は、与えられた環境で何ができるかというようなことは考えていなかった。朝からテレビを一日中見ている女性の患者、などを見ていると、このままの状態では死んでも切れないと思った。」

 

3、師としての坂井三郎の言葉

 

オペラ歌手の山本隆子さんから届いた寒中見舞いの葉書に、「オペラ界の頂点を極められた師匠の指導 の効果の大きさを改めて感じ、よき師に恵まれる幸せを思っています。多くの方に支えていただいてい ることに本当に感謝でいっぱいです」と書かれていた。


とてもよい言葉が書かれています。山本隆子さんのように、およそ仕事でプロフェッショナルを目指す人に
は、よき師を持つことは、とても大切なのである。わたしにも困難な時にはいつも酒井三郎さんの本を、
読み返している。

よき師としての坂井三郎さんの4冊の本と「ゼロ戦と坂井三郎」歴史通20121月号別冊「零銭と坂井
三郎」の合計5冊を改めて読み直した。4冊の本は、坂井三郎著「零戦の最期」「零戦の真実」「零銭の
運命」「撃墜王との対話」と、「零銭と坂井三郎」の中の百田尚樹著の「永遠の0が語りかけるもの」の
論文である。以下の「」は、それらの本からの引用です。

(1) どんなに苦しくても、明日の命はある

「人生いいことばかりではない。後れをとって落ち込んだら巻き返せ!どんなに苦しくても、明日の命は
あるのだと言うことだった。
限られた持ち時間の中で可能性に挑戦し、己の生命力を完全燃焼させて悔いなき生涯を全うするためには、
常に自分自身との約束事の1つ1つを、執念をもって、確実に果たしていくよう心がけるべきです。

どんな難関、ピンチに遭遇しても、日ごろ鍛えに鍛えた己の力を信じて、投げずに、捨てずに、諦めずに、
粘ってねばって粘り抜く者にのみ、天は、神様は、ご先祖様は、生き抜く力と勝利への道を開いてくださ
るものとわたしは、信じている。

世の中に永遠の勝者はあり得ない。必ず打ち破る者が現れる。これが進歩と言うものだ。かくしてその時
代時代の勝者が最高の歴史を築いていく。
現代の社会においては、形の上の繁栄に気を奪われ、心の健康を害している人が多くなった。」

この言葉、どんなに苦しいときがあっても、1つ1つを執念を持って、毎日やり遂げていくと言う酒井
三郎さんは、理系的な頭脳の持ち主である。仕事や勝負事をやり遂げるには、私たちも理系的な頭脳で
もってして,今日を生き残るのである。

そして、明日の命はあると言う言葉を反芻するようにしていく。そして私たちも、
あきらめないで粘り抜くのである。そうして我々も粘り抜いてく。その時、
特定の宗教ではないが、宗教とご先祖の助けによって生き抜く力と勝利の道なのであると我々も
繰り返していくのである。

永遠の勝者の人も、そのような企業なども、あり得ないと言う言葉を肯定的に理解していく。
そして、その時代の勝者なることは、粘り抜く人にのみ訪れる可能性も信じていく。
このような言葉を繰り返していくことは、心の健康を維持していくには不可欠である。だから、
毎日読みあげていくのである。
(つづく)

 



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